2011年4月3日日曜日

IAISの「ALMイシューペーパー」を読む(1)

IAIS(保険監督者国際機構)作成の「ALMイシューペーパー」(「資産負債管理に関するイシューペーパー」(2006))を読む。


最初に、このイシューペーパーの概説や、本記事のシリーズの前提など。

IAISの正式名称はInternational Association of Insurance Supervisors(保険監督者国際機構)。
1994年に設立。保険監督者とは日本では金融庁のことであり、各国の相応する機関をメンバーとして活動している。なお、オブザーバーには日本生命、東京海上HDなど大手の保険会社も加わっているようだ。
http://www.iaisweb.org/

「IAISのALMイシューペーパー」を読む のシリーズでは、IAISの作成した"ISSUES PAPER ON ASSET-LIABILITY MANAGEMENT"(2006)を読む。但し、日本アクチュアリー会 ERM委員会 ALM研究会 によるこの文書の日本語訳を基礎資料とし、原文はその補助資料として扱う。
(なぜこのようないびつな読み方を試みるかというと、この日本語訳の方がアクチュアリー試験の試験範囲だからである。また、訳注など原文にない記載も存在している。)

このイシューペーパーの立ち位置についてだが、まず、IAISによる"STANDARD ON ASSET-LIABILITY MANAGEMENT"(2006)というのがある。
"ISSUES PAPER ON ASSET-LIABILITY MANAGEMENT"(2006)は同時にIAISにより作成された、"STANDARD ON ASSET-LIABILITY MANAGEMENT"を補足するための文書である。

"STANDARD ON ASSET-LIABILITY MANAGEMENT"はhttp://www.iaisweb.org/index.cfm?pageID=40
"ISSUES PAPER ON ASSET-LIABILITY MANAGEMENT"はhttp://www.iaisweb.org/index.cfm?pageID=48
日本アクチュアリー会によるこれらの翻訳はhttp://www.actuaries.jp/comm/toushiriron_alm.html
からダウンロードすることができる。

このシリーズでは、STANDARDの翻訳を「ALM基準」、ISSUES PAPERの翻訳を「ALMイシューペーパー」あるいは単にイシューペーパーと呼ぶ。「ALM基準」あるいはその原文も参考資料として適宜参照するが、その場合も原則として「ALM基準」の方を基礎資料とする。

「ALM基準」は8つの章、42のパラグラフから成り、11の要件を含んでいる。
各章のタイトルは
1.(はじめに) 資産負債管理の定義
2.資産負債管理の目的と枠組み
3.資産負債管理の測定手法
4.資産負債管理の対象となるリスク
5.保険会社のリスク許容度及び関連する資産負債管理方針
6.異なる商品区分への資産負債管理の適用
7.保険会社の内部組織間の関係
8.制御と報告
となっている。
タイトルからはイシューペーパーの内容は「ALM基準」の3章、4章、6章に対応しているように見えるが、詳細は今後読みながら確認していく。

このシリーズでは、イシューペーパーのうち"付録-定義"のセクションについては読み込む予定はない。ただ一読したところでは、項目名には英語を併記しておいたほうが良かったのでないかと思った。なぜなら、この項目名は原文においてアルファベット順で並んでいるため、日本語のみになってしまうとなんの順だか分からないためだ。


ちなみに私自身この分野には詳しくなく、これから読んで勉強しようというスタンスなので、記事は様々な不足や多くの間違いを含むと思われる。信頼はしないでください、すみません。

#2011/4/7追記
IAIS「用語集」(Glossary of terms)

0 件のコメント:

コメントを投稿